英語を読めるようになりたい!

とにかく英語を読めるようになりたい人のために、様々な角度からアイディアを提供します。

おすすめの英文解釈教材

英語をすらすら読めるようになりたい!

 そんな方のために、今回は、英語を読む基礎となる英文解釈の技術を教えてくれる書籍を紹介していきたいと思います。

  

ずばり、教材としては大学受験向けの参考書を利用することをおすすめします。

近年の入試対策参考書は極めて分かりやすくなっていて、これを利用しない手はありません。今回は数ある参考書の中から、これは良い!というものをレベル別に紹介します。下で紹介する本ほどレベルが高くなります。

なお、これらの教材はどれも高校生向けですので、中学レベルの英語は最低限理解しておく必要があります。高校初級レベルの英文法の知識まである方が好ましいでしょう。

 

 

書きこみノート英文解釈(著者・丸山大地) 

「文頭からの読み下し」の方法を丁寧に説明してくれています。英語のリーディング力を伸ばすにあたって、英文の中を行ったり来たりせず、左から右に向かって読み進めていく技術は必須中の必須です。この本では、読み下しの方法論を最後まで省略することなく、くり返し教えてくれます。

短文で基本事項を理解したあとに、単元ごとに適度な長さの練習問題がついているのがいい点です。英文読解を学ぶにあたって、文法事項がはっきりした短文だけを載せている本よりも、文脈を持った文章の中で、学んだことを実践する形式をとっている教材の方が身につきやすいと思います。

 

世界一わかりやすい英文読解の特別講座(著者・関正生)

文法項目別に短い英文を提示し、英文の読み方や、役立つ知識を教えてくれます。取り上げられている素材文を解説するだけでなく、様々なパターンに対応できるように普遍化した説明がされていていいと思います。

関正生さんは現代英語教育界の風雲児とも言える方で、著作は山のように出されていますが、いい本が多く、一見の価値があります。

ただ、説明の仕方は、理論的というより「俺のやり方」的な断言調が多いので、スタイルが肌に合わない人もいるかも知れません。

  

 入門英文問題精講(著者・竹岡広信)

数行程度の英文を用いて、英語の読み方を段階的に身につけられる本です。

1問1問の解説が詳しく、痒いところに手が届く!

この本には、学んだことの確認ができる練習問題はなく、最後まで単調に同じ体裁が続くので、自分の力を試す機会がないのが少し残念ではありますが、この本を終えて別の教材に取り組めば、実力の伸びが実感できるでしょう。

 

 

以上、英文解釈のおすすめ教材をレベル別に3冊ご紹介しました。

 今回、紹介した本は英文解釈の中でも基礎に属するものです。本格的な長文を読む前段階として取り組んで下さい。

 

 

おすすめの洋書(中級レベル)

学習用の素材ばかりでなく、本物の洋書を早く読みたい!

英語がある程度読めるようになってきたら、早く洋書に挑戦したい!って思いますよね。今回は、そんな「学習書から脱皮して本物の英語を読みたい!」と渇望する中級レベルの方の挑戦に適した、これはお勧め!という洋書を、小説に限定してご紹介します。 

 

And Then There Were None (Agatha Christie)

 (『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティー))

  私が初めて挑戦したアガサ・クリスティーの作品です。

絶海の孤島に閉じ込められた10人の人々が、館の中で「10人の小さな兵隊さん」という童謡の歌詞の通りに次々と殺されていく・・・という筋書きの傑作ミステリー。

 ストーリー展開は分かりやすく、ぐいぐい引き込まれて先を読み進めたくなる疾走感があります。これぞ、ミステリー小説のお手本。 翻訳版やドラマなどで既にご存じの方も多いかと思いますが、この世界的に有名なお話を是非原書で!

 初版は1939年で、結構古い話ですから、英語表現もまあまあ古いです。その点では読みづらさがあるので注意して下さい。

 

 

The Da Vinci Code (Dan Brown)

(『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン)) 

 トム・ハンクス主演の映画版も超有名な傑作シリーズの1つ。ある夜、ルーヴル美術館で館長が殺された。現場に残された謎のメッセージ。疑いをかけられたハーバード大教授のロバート・ラングドンキリスト教の聖杯伝説を巡る巨大な陰謀に巻き込まれていく・・・。

ハリウッド映画好きなら絶対楽しめる大スペクタクル作品になっています。(というか、最初から映画化狙って書いてるだろこれ。)

私はハリウッドのサスペンス物が大好きなので、控えめに言って超面白かったです。

 単語のレベルが結構高いので注意。特に宗教関係のワードが頻出します。逆に言えば、そういった単語を調べながら読めば、ロバート・ラングドンシリーズの他の作品が読みやすくなります。

  

 

 Master of the Game (Sidney Sheldon)

(『ゲームの達人』(シドニィ・シェルダン)) 

Master of the Game

Master of the Game

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  こちらもまた超有名な娯楽作品の傑作。親子四代にわたる壮大な人間ドラマ。

ストーリーテリングの天才、シドニィ・シェルダン出世作。畳みかけるような場面展開で飽きが来ません。

 単語さえ分かれば読めます。エッチなシーンもあったりして、「へー、英語ではこう言うのかー」といった嬉し恥ずかしい学びも得られます。

 一昔前は「英語学習ならシドニィ・シェルダンを読め」と推奨されていましたよね。確かに、洋書の入り口として最適なレベルかも知れません。

 

 

いかがでしたか?

今回は、中級レベルで挑戦したい洋書の小説を3冊紹介しました。

これからも英語学習を頑張っていきましょう!  

 

 

英単語を覚える時は、3つのことを「しない」

英語を読めるようになるためには、単語暗記は避けて通れません。それは分かっているけど、単語を覚えるのって苦痛ですよね。

 

今回は、英単語を覚える時に心がけてほしい3つの原則をご紹介します。

 

その3つのこととは

「書かない」

「考えない」

「細かいことにこだわらない」

です。

 

それでは1つずつ詳しく説明していきます。

 

 

まず第一の原則「書かない」です。

 

英単語を覚える際、何度も何度も書いて覚えるというやり方があります。私はこのやり方は断じてお勧めしません。

このやり方の最大の欠点は、「数をこなせない」という点です。英語リーディング上達を目的とした単語暗記は、学校の明日の単語テストのために50個だけ覚えるといった世界ではありません。1000個、2000個、3000個の世界です。1つの単語につき何度も書いて時間をかけているといつまでたっても先に進みません。とにかく短時間で数をこなすために、書いて覚えるという方法はお勧めできません。

書いて覚える方法の第二の欠点は「必死で覚えてもどうせ忘れる」ことです。

「明日、学校で単語テストがあるから詰め込まなきゃ」というのと同じ感覚で勉強することは卒業しなければなりません。英語リーディング学習は1年、2年と続く長期戦です。今、必死で覚えた単語もどうせしばらくすれば忘れていくのです。

だったら、1個1個の単語に一生懸命になる必要はありません。

どんどん覚えてどんどん忘れる。そして何度でも反復する。これが基本です。

「今日はこの50個を完璧にする!」というように気合いを入れる必要はありません。「完璧に覚えた50個」よりも、「大体覚えた100個」の方が価値があります。大体の曖昧な記憶でいいので、とにかく数をこなしましょう。

 

 

第二の原則「考えない」です。

 

単語帳の単語を見て、「あーこれ何だったっけ?やべえ忘れた。思い出せそう~」となることがよくあると思います。そういう時、「思いだそうとする努力をしない」ことです。

なぜならば、「考えている時間がもったいない」からです。とにかく覚えるべき単語は山のようにあり、1つ1つの単語で立ち止まっている時間を減らさなければなりません。

ではどうするか。

答えは、「パッと出てこなければ即、答えを見る」です。単語暗記は反射神経のゲームです。単語を見た瞬間に意味が浮かんでこなければ負けです。制限時間は、1つの単語につき、1秒~2秒です。3秒かけて思い出せなければ、失格。答えを見て覚え直しましょう。

単語暗記の得意な人は、皆、「反復」を口にします。1個に10秒かけるのではなく、1秒ずつ10個をこなす。そして1回でマスターしようとせず、何度も何度も繰り返す。これを心がけて下さい。

 

 

第三の原則「細かいことを気にしない」です。

 

単語帳で勉強していると、色々な情報が載っていますよね。たとえば1つの単語に意味がいくつもあったり、動詞の名詞形や形容詞形が載っていたり、たくさんのことを覚えなきゃならないプレッシャーを感じます。

でもそんなの気にしない。

1つの単語につき、1つの意味だけ覚えます。派生語や語法は気にしません。

 

中でも大事な点は「日本語訳の微妙な違いを気にしない」ことです。

たとえば、「praise賞賛する」「admire感心する」「adore敬愛する」とあったとして、どれがどれか区別できますか?賞賛でも感心でも敬愛でもどれでもよくないですか?

これは英単語学習における最大の秘訣だと私は考えています。

つまりpraiseとadmireとadoreは、ニュアンスの違いはあれども、同じ「ほめる系」の単語なのです。だから脳の中でこれらを別々に覚えるのではなく、「ほめる系」という同じカテゴリーにぶち込んでおけばそれでいいのです。

英語を読んでいて、Tom admired the singer.と出てきたときに、「ああトムはその歌手を高評価してるんだな」ということが分かることが大事です。この文を見て、トムがその歌手のことを"ほめているのか""けなしているのか"というプラスマイナスのベクトルさえ分かれば、最低限、その単語は乗り切れているのです。

 

ですから、あなたの脳内に英単語収納ボックスがいくつもあるとして、「praiseほめる」「admireほめる」「adoreほめる」と、すべて同じボックスに放り込んじゃって全然大丈夫。

ちなみに「ほめる」のカテゴリーには他にも、

worship、respect、acclaim、commend、applaud、esteem、compliment、eulogize、hail、glorify、honor、exalt、venerate、laud

などの単語が入ります。

これらの細かな意味の違いなんか覚えてられるかー!って思いませんか?

これらはすべて「ほめる、ほめたたえる、賞賛する、賛美する、崇拝する、敬愛する、敬服する」系の意味です。どれがどれかを区別しようとせず、「ほめる系」だと覚えましょう。

 

もちろん、単語ごとに、ニュアンスの違いはありますし、語法の違い、用法の違いはあります。そういったことは、あとから少しずつ分かってきます。最初から「似た単語の使い分け」みたいなことにこだわっていたら、英単語学習が嫌になります。

 細かな違いはそのうち学べばいいや、という気持ちでいましょう。

 

 

以上、英単語を覚える上で気をつけてほしい3つの注意点を説明しました。

「書かない」

「考えない」

「細かいことを気にしない」

 

この3つのことを「しない」ように、英単語学習を頑張りましょう!

 

 

洋書リーディングに必要な語彙数はどれくらい?

英語の原書をスラスラ読めるようになりたい・・・

憧れですよね。

でも、いざ洋書を開いてみると1ページ目から知らない単語だらけ。辞書を引いてみるけど、1ページで一体いくつ調べなきゃならないんだ!

結局、絶望感とともに1ページで挫折。。。

 これって英語学習者が誰もが通る道ではないでしょうか。

 

はたして、単語をいくつ覚えれば、あのおそるべき未知単語の洪水と対等に渡り合えるようになるんでしょうか。

 私のこれまでの英語学習の経験から、一応の結論として出した数字は、最低12000語、できれば15000語となります。

 この数字ってどれくらいの規模なんでしょうか。私の考える語彙レベルについて説明したいと思います。

 

 

1000語レベル(中学卒業)

普通に中学校を卒業したレベルの語彙数です。中学校の英語の教科書に出てくる必須単語が1000語程度になります。

このレベルでは、洋書は0歳児向けの絵本ぐらいしか読めないのではないでしょうか。

まだまだ英語学習は始まったばかり。洋書リーディングへの道は果てしなく遠いのです。

 (ちなみに2021年度から中学校の英語教科書が改訂され、必須単語の数が大幅に増えました。現行の教科書を全部覚えれば1500語程度になります。)

 

4000語レベル(高校卒業)

高校卒業レベルです。高校3年間、英語の授業を真面目に受けましたというレベル。

agreeとかimproveとかは余裕。distributeとかoccupyが分かりますというレベル。

まだまだ道は遠い・・・。

 

6000語レベル(大学入試)

大学入試レベル。共通テスト(旧センター試験)で8割以上取れる人。有名私大、国公立大合格レベルです。英検2級レベル

だいぶ英語が分かるようになってきます。大学入試の読解問題に対応できるということは、英語の基礎が身についたと言って差し支えないでしょう。

大学受験の勉強で文法も単語もたくさん覚え、長文問題も大量に読んだでしょう。もうこれで英語の勉強は完成であるかのような錯覚を抱きがちです。

でも実は、英語の世界はまだほんの入り口。

英語リーディングの奥深き世界はこれからです。

 

8000語レベル(英検準1級)

難関大学合格レベル。早稲田・慶応などの入試問題はこのレベルの語彙が現れます。英検準1級レベルです。TOEICの語彙レベルもこのあたりだとされています。

大学受験で言えば「難単語」とされるグループもほとんど覚えているレベルです。大学受験向けの市販の単語帳なら分からない単語がない段階です。大学入試なら偏差値70を超え、英語をマスターしたと思ってしまいがちな時期です。

 ようこそ。深遠なる英単語の世界へ。ここからが本当の戦いです。

 

12000語レベル(英検1級)

英検1級レベル英検1級向けの単語帳を1~2冊覚え、TOEIC高得点対策の単語帳も1~2冊、TOEFL対策の単語帳を1~2冊覚えるとこのレベルに達します。

そろそろ洋書が読めるんじゃないかと思って手を出してみたくなる時期。このレベルに達すると、子供向けの易しめ小説なら何が書いてあるか分かるようになってきます。しかし同時に、洋書の真の恐ろしさに薄々気づき始めます。

「知っている単語なのに意味が分からない」

「人の動作・物の動きを表す豊かな動詞表現についていけない」

「建物や乗り物、調度品、衣服など、日常語が分からなさすぎる」

「訳分からんと思っていたら実はイディオムだった」

などの悩みが噴出して、あと一歩のところで返り討ちにあいます。

 

15000語レベル(洋書の入り口)

12000語レベルの時に自覚した問題点を解決するべく、基本動詞の用法・語法、多彩な動作表現、事物を表す名詞、などを貪欲に暗記してたどり着く境地。

ここまで来て、ようやく洋書リーディングへの道が開けてきます。永遠に続くかと思われた単語学習のトンネルについに光明が見えてきます。本屋さんで洋書コーナーを物色するのが楽しくなってきます。

  

いかがでしょうか。

以上、洋書リーディングの世界にエントリーできるまでの英単語学習の道筋をお示ししました。 

何度も洋書に挑戦しては返り討ちにあってきた方。実はあと一歩の努力で壁を越えられるところまで来ているかも知れませんよ。