洋書リーディングに必要な語彙数はどれくらい?
英語の原書をスラスラ読めるようになりたい・・・
憧れですよね。
でも、いざ洋書を開いてみると1ページ目から知らない単語だらけ。辞書を引いてみるけど、1ページで一体いくつ調べなきゃならないんだ!
結局、絶望感とともに1ページで挫折。。。
これって英語学習者が誰もが通る道ではないでしょうか。
はたして、単語をいくつ覚えれば、あのおそるべき未知単語の洪水と対等に渡り合えるようになるんでしょうか。
私のこれまでの英語学習の経験から、一応の結論として出した数字は、最低12000語、できれば15000語となります。
この数字ってどれくらいの規模なんでしょうか。私の考える語彙レベルについて説明したいと思います。
1000語レベル(中学卒業)
普通に中学校を卒業したレベルの語彙数です。中学校の英語の教科書に出てくる必須単語が1000語程度になります。
このレベルでは、洋書は0歳児向けの絵本ぐらいしか読めないのではないでしょうか。
まだまだ英語学習は始まったばかり。洋書リーディングへの道は果てしなく遠いのです。
(ちなみに2021年度から中学校の英語教科書が改訂され、必須単語の数が大幅に増えました。現行の教科書を全部覚えれば1500語程度になります。)
4000語レベル(高校卒業)
高校卒業レベルです。高校3年間、英語の授業を真面目に受けましたというレベル。
agreeとかimproveとかは余裕。distributeとかoccupyが分かりますというレベル。
まだまだ道は遠い・・・。
6000語レベル(大学入試)
大学入試レベル。共通テスト(旧センター試験)で8割以上取れる人。有名私大、国公立大合格レベルです。英検2級レベル。
だいぶ英語が分かるようになってきます。大学入試の読解問題に対応できるということは、英語の基礎が身についたと言って差し支えないでしょう。
大学受験の勉強で文法も単語もたくさん覚え、長文問題も大量に読んだでしょう。もうこれで英語の勉強は完成であるかのような錯覚を抱きがちです。
でも実は、英語の世界はまだほんの入り口。
英語リーディングの奥深き世界はこれからです。
8000語レベル(英検準1級)
難関大学合格レベル。早稲田・慶応などの入試問題はこのレベルの語彙が現れます。英検準1級レベルです。TOEICの語彙レベルもこのあたりだとされています。
大学受験で言えば「難単語」とされるグループもほとんど覚えているレベルです。大学受験向けの市販の単語帳なら分からない単語がない段階です。大学入試なら偏差値70を超え、英語をマスターしたと思ってしまいがちな時期です。
ようこそ。深遠なる英単語の世界へ。ここからが本当の戦いです。
12000語レベル(英検1級)
英検1級レベル。英検1級向けの単語帳を1~2冊覚え、TOEIC高得点対策の単語帳も1~2冊、TOEFL対策の単語帳を1~2冊覚えるとこのレベルに達します。
そろそろ洋書が読めるんじゃないかと思って手を出してみたくなる時期。このレベルに達すると、子供向けの易しめ小説なら何が書いてあるか分かるようになってきます。しかし同時に、洋書の真の恐ろしさに薄々気づき始めます。
「知っている単語なのに意味が分からない」
「人の動作・物の動きを表す豊かな動詞表現についていけない」
「建物や乗り物、調度品、衣服など、日常語が分からなさすぎる」
「訳分からんと思っていたら実はイディオムだった」
などの悩みが噴出して、あと一歩のところで返り討ちにあいます。
15000語レベル(洋書の入り口)
12000語レベルの時に自覚した問題点を解決するべく、基本動詞の用法・語法、多彩な動作表現、事物を表す名詞、などを貪欲に暗記してたどり着く境地。
ここまで来て、ようやく洋書リーディングへの道が開けてきます。永遠に続くかと思われた単語学習のトンネルについに光明が見えてきます。本屋さんで洋書コーナーを物色するのが楽しくなってきます。
いかがでしょうか。
以上、洋書リーディングの世界にエントリーできるまでの英単語学習の道筋をお示ししました。
何度も洋書に挑戦しては返り討ちにあってきた方。実はあと一歩の努力で壁を越えられるところまで来ているかも知れませんよ。